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子どもの三大夏風邪(手足口病・ヘルパンギーナ・プール熱)について

2024.03.12

天気予報を見ていると「本日は猛暑日です」「熱中症に気をつけましょう」という声が毎日のように聞こえる時期、日本の夏は蒸し暑くて大変ですよね。2022年は6月から8月の3か月間で6万人以上の方が熱中症で救急搬送されたと報道がありました。

この記事をご覧になっている方は小さなお子さんがいるお父さん、お母さんが多いかと思います。

夏は特に流行しやすいウイルス性感染症いわゆる「子どもの三大夏風邪」の他、皮膚病変である伝染性軟属腫(水イボ)・伝染性膿痂疹(とびひ)・伝染性紅斑(りんご病)そして食中毒(カンピロバクター・サルモネラ・黄色ブドウ球菌・腸炎ビブリオ・腸管出血性大腸菌<O157など>)等様々な疾患が流行します。

一方近年になって以前は秋から流行していたRSウイルスも流行し、ご家族の方も大変な時期です。

子どもの三大夏風邪

手足口病の主な症状

文字通り赤ちゃんの手のひらや足の裏、指先、口の中に水ぶくれのような発疹が出現する病気です。お膝、お尻や身体にも出現することも珍しくありません。

発症者の約1/3に軽度の発熱が見られます。

エンテロウイルスの飛沫感染、接触感染、糞口感染(便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染)で感染しますので、保育園などの集団生活の場では集団感染するケースが少なくありません。

口の中の発疹は、大人でも口内炎を想像いただけると分かりやすいかと思いますが、痛くて食欲が落ちます。赤ちゃんもミルクや離乳食の量が落ちて脱水症状に陥る可能性もあり、あまりに元気がない場合は点滴などの処置をとるケースもあります。

ごくまれに髄膜炎や心筋炎などを生じることもあります。エンテロウイルス71型(EV71)は他の型のウイルスよりも髄膜炎を来たしやすいので、3日間以上の発熱、嘔吐、不機嫌のある時はご注意ください。流行時のウイルスの種類のニュースにも注目することも大切です。

また派手な皮疹のタイプは手足口病後に爪変形・爪甲脱落症(爪が剥がれる)も見られます。爪は自然に落ちますが、浮いている状況では、紙テープ等で一時的に押さえてください。 

治療としては対症療法が主になります。脱水、皮疹の二次感染に注意し喉越しの良いものを与え、皮膚の清潔にもご留意ください。かさぶたにはならず、約1週間程度で軽快します、ウイルスは便に2-4週間ほど排出されますのでご家族の方は手洗い等も継続してください。

予防として流水と石鹸によるこまめな手洗い、うがいを習慣づけましょう。トイレの後、おむつ交換の後、鼻をとった後には手を洗いましょう。咳エチケットも子どもが理解できる範囲で心掛けましょう。

ヘルパンギーナの主な症状

上記と同様のウイルス感染です。

主に発熱および喉の奥の方に水ぶくれ等の特徴的な口内炎がみられます。手足口病の口の水ぶくれと違い、口の先の方にはできません。

水ぶくれは破れ爛れて口腔内の痛みが出現するので乳幼児は唾液が上手く飲み込めず液が口からあふれたり、痛みのため指を口の中に入れる仕草があります。

上記疾患と同様に髄膜炎の合併症もありますので、ご注意ください。

治療としてはこちらも対症療法が主で、症状をみて解熱鎮痛剤を処方することもあります。口内炎自体は3日ほどで軽快することが多いですが、完全に治るまでは1週間程度かかります。おむつ交換など便を扱った後は、特にしっかり手洗いをしましょう。

プール熱(咽頭結膜熱)の主な症状

正式名称は咽頭結膜熱といいます。

以前は、プールの消毒対策が悪かった時代の名残りの病名です。現在循環ろ過装置を備えたプールが全国的に普及し、プールでの感染を強調されることは無くなりました。

なお喉だけに炎症がある場合はアデノウイルス咽頭炎となります。

一年中通して起こりうるアデノウイルスが原因の感染症です。

主症状としては、「目の充血・発熱・のどの痛み」が挙げられます。

アデノウイルスの潜伏期間は5~7日と他のウイルスよりもやや長い傾向にあるため、感染しても自身で気づかずに他の子どもへうつしてしまうケースも少なくありません。目を頻繁に掻いたり、目やにが出現した際には、医療機関にご相談ください。

病気療養時のヘルメット治療について

最後に、病気とヘルメットについても触れておきます。感染症の主な症状は発熱です。38℃を超える発熱の場合はヘルメット装着を休止してください。咳が出たり少し鼻水が出る程度であれば様子を見て装着を続けていただいても構いません。基本的に清潔を保っていただくことも大切ですので、夏場はいつもよりしっかりとヘルメットのお手入れをお願いします。

「頭は変形しているけど夏が終わってから考えようかな」は推奨しません。月齢が上がるとどうしても治療効果が下がりますので、気づいたときに行動することが大切です。まずはかかりつけ医やAHS Japanにご相談いただき、客観的な意見をしっかりと聞くことが、赤ちゃんと家族の未来へ繋がると思います。

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