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【医師解説】赤ちゃんの目の成長・視力について (赤ちゃんの見る力はとても低いって本当!?)

2026.05.28

新生児は何も見えていない?

生まれて間もない時期の赤ちゃんはほとんど何も見えていないと考えらていました。
しかし、1960年代に発達心理学者Robert L.Fantzは、一度も顔を見た経験がない新生児でも既に顔を認識する視覚能力があることを報告しました。

トップベビーの法則

2000年代の研究には、赤ちゃんは目・鼻・口の特徴を消した▪️を並べた図形を好むことをが報告されました。”トップベビーの法則”(赤ちゃんが顔を認識する際に顔の構造を情報密度が口元などの下よりも多い、目元などの上にある配置構造(逆三角形の配置)を本能的に好む特性)と言われています。赤ちゃんは、実際には顔自体を好んでいるのではなく、顔のパーツの配置を好んでいることが明らかになったのです。

驚くことに赤ちゃんは、「トップベビーの法則」を妊娠39週には準備していることも明らかになりました。逆三角形に配置した光を妊婦さんのお腹に当てると胎児がその光の配置を好むことの研究結果からです。赤ちゃんは、以下に記載するゆっくりと発達する視力機能とは対照的に大人が顔を知覚する仕組みを既に有しています。

また生後6ヶ月までは、様々の人種や同じように見える各サルや各羊の個体を区別できる研究も報告されました。赤ちゃんは、生後幅広く柔軟に対応できるスーパー能力を待っていることは驚異的ですね。

一方赤ちゃんは、世界中のあらゆる言語を聞き取るオールマイテー能力も持ち合わせています。先の顔認識と同時並行して発達していきますが、両者ともに1歳頃にはこの能力はなくなります。

6ヶ月以降は視覚による認識は生育環境で頻繁に会う人の顔を特化した限定的識別能力になり(知覚的狭小化)、言語認識も母国語の聞き取りの感受性をあげ、不必要な言語聞きとり能力を捨て、生活していく共同体に特化した変化が起こります。日常生活しているコミュニケーションの一員になるように適応していきます。より強い絆をえる戦略でしょうか。

このように赤ちゃんは、当初はどんな生育環境に生まれ育っても適応できるように、その後生き残っていく為の巧みな戦略を生来有していることには驚きを隠せません。逆に赤ちゃんへの早過ぎる英才教育は赤ちゃんを混乱させるかも知れませんね。

一方赤ちゃんは、当初白黒コントラストの強い髪方は、各個人の認識に大きく影響を与えます。髪という顔の枠組みは、トップベビーの逆三角形の配置を注目できなくなる影響も報告されています。「枠組み効果」というもので、当初の赤ちゃんは顔の周りを囲まれるとその中の形に注目できない現象です。尚この「枠組み効果」は、枠の中の図形を動かしたり、顔を動かすとなくなるという報告があります。

また生後6ヶ月までは、顔の認識を真正面の逆三角形のパーツの配置で行い、横顔のパーツ配置の崩れではできないとされています。

赤ちゃんに接する当初は、真正面から接し、顔の表情を変化させたり、顔を動かすことが大切ですね。スマートフォン等の操作をしながらでは、赤ちゃんは保護者のお顔を認識されない可能性があることを頭に入れておくことは、子育上大切ですね。

赤ちゃんの目の観察が大切・赤ちゃんの目の成長発達・視力について

新生児期

目は生まれた時点で器官としてほとんど完成しているもの、眼軸(目の前後の長さ)が短いのでほぼ遠視状態です。0.02(0.01~0.03)くらいと細かい物を鮮明に見ることができません

認識出来る色も、黒・白・灰色のみとされています。尚「トップベビーの法則」のことを考えると充分なのかも知れませんね。

両目の焦点を合わせる能力はないので、目的なく眼が動いているの気づいた際には、ご心配をされるかと思いますが、多くは周囲の音や香等にも反応しているだけなので、声かけをしてしばらく見守ってください。

また徐々に「いないいないばあ」も好むようになりますが、当初は反応するには3ー6秒と時間差がありますで、反応の遅さに心配されるかも知れません。声かけや絵本の読み聞かせでは、もともとゆっくりなのだと理解して声かけをしてください。

生後3カ月頃から

両眼視、立体視や追視(動くものを少しずつ視認)が徐々に進んできます。手を伸ばし始め興味のあるものものを掴もうとし、プレイジムも一人で楽しみます。色も赤・緑・黄色等カラーを認識するようになります。色のあるニギニギ、音のでるガラガラを持たせて一人遊びを暖かい気持ちで見守ってあげてください。赤ちゃんも保護者の方々からの生育の補償を得たと一安心感した時期になったからなのでしょか。一方忘れらないようにより振り向かせることも忘れずに笑顔が可能になるようになり保護者の方をより魅了し始めます。天使の微笑みという新たな巧みな戦略の継続ですね。

この時期には首の座りも安定し始めまた双方目線も合いますので、赤ちゃんと双方床に向き合ったり、周囲に鏡やおもちゃを置いたりし腹這い時間(Tummy Time)を取り、頭の形へのケアも継続してください。もしこの時期に頭の形が気になりましたら、赤ちゃんの頭の形矯正・ヘルメット治療のAHSJapanでも頭の形の歪みの程度を無料で計測可能ですので、お気軽にご相談くださいませ。

生後半年頃から

視線は、固定し始めます。健診の際にこの時期の赤ちゃんは、ライトの光にもしっかり見つめることを知っています。また視覚以外の感覚機能の発達からも保護者とそうでない人との区別もつくようになり、人見知りが始まることもあるかもしれません。赤ちゃんがより育ての保護者に密接な関係になっている証でしょうね。

9ヶ月頃から指先で物も掴み始め、掴まり立ちも始まり視線も高くなりより周囲への関心も広がってきます。赤ちゃんの自立への過程ですが、保護者の方に負担を掛けにくくより接触しやすい距離関係をとる戦略なるのでしょうか。

1歳頃から

この時期でも視力は0.2ですが、小さい物を見つけ、自分と物の距離を把握可能には充分でしょう。

目と手の協調が発達するのもこの時期です。1歳頃の赤ちゃんは目の前に見えたものをつかんだり、食べ物を認識して手で持って口に入れたりといった動きができるようになります。尚誤飲を起こす時期なので、異物の誤飲にはご注意ください。

特に1歳男児は誤飲への要注意が必要です。
0歳までは、人や動物の絵本を好みますが、1歳からはお化け等の空想上のキャラクターを好み始めますので、絵本を選ぶ参考にされてください。

2~3歳頃以降

赤ちゃんの視力は2歳から3歳くらいにかけて急激に成長しますので、絵本も、より複雑な絵柄を好むようになります。

人の表情を読み取る際には国民性の違いがあり、人の顔の絵柄の絵本の選択の際には、国民性を考慮するのも一助かも知れません。

日本人は、目で表情を伝えますが、一方欧米文化圏は顔全体の表情特に口の動きで表情を演出します。

日本発祥の「絵文字」でも、日本は目で表情を演出しまた最近のアニメでも目を大きく描出しています。一方欧米の絵文字は本邦と違ますね。

3歳頃には視力が0.7から1.0くらいになり、大まかな立体視可能になります。3歳児健診では、必ず視力を評価しますので、ご参加ください。

6歳くらいまでには、大人と同等の視力・精密な立体視機能を獲得していきます。

尚な視力の発達は、8〜10歳まで続きますので、TVとの距離は2m以上の間隔をお取りください。

テレビ等映像メディアやICT(スマートフォン・タブレット端末など)の使い方について

ブルーライトが視力に影響するという報告や発達に影響もありますが、現代の生活ではスマートフォンやタブレットを無にするのは難しいのも現状です。

以下の具体的提言をご参照し上手にご使用ください

「子どもとメディア」の問題に対する提言社団法人 日本小児科医会「子どもとメディア」対策委員会


1)2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう。

 尚、余りにも窮屈にならない範囲で、家事で忙しいちょっとした時間やお母さんの息抜き等の視聴使用等で上手く活用しご生活されてくださいね
2)授乳中、食事中のテレビ・ビデオの視聴は止めましょう。
3)すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。
 1日2時間までを目安と考えます。テレビゲームは1日30分までを目安と考えます。
4)子ども部屋にはテレビ、ビデオ、パーソナルコンピューターを置かないようにしましょう。
5)保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールをつくりましょう。

赤ちゃんの目の観察をしておくことが大切

以下のことで気になることがある際には小児科・眼科にご相談ください。

  • ・赤ちゃんが、暗い部屋から明るい場所に移動した際に眩しがるか?
    ・目つきがおかしい?寄り目?
    ・目が揺れる?
    ・瞳が白く濁っている?フラッシュでの撮影で瞳の奥が赤くならない?
    ・片目を隠すと嫌がる?
    ・顔を傾けたり、横目で見る?
    ・物を追わない?
  • AHS Japanでは赤ちゃんの頭の形の他にも、発達発育のコラムを多数掲載しております。
    そちらもぜひご覧ください。

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