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ヘルメット治療の大敵「汗・あせも」の予防策!頭の汗の対処法は?

HOSHINOKO DAYORI

星の子だより

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ヘルメット治療の大敵「汗・あせも」の予防策!頭の汗の対処法は?

ヘルメット治療の大敵「汗・あせも」の予防策!頭の汗の対処法は?

 測定コースなどでヘルメット装着時等の汗のトラブルについて不安な声をいただくことが少なくありません。

 特に5月からの高温多湿の環境変化はデリケートな肌の赤ちゃんはヘルメットを装着していなくても汗トラブルが起きやすくなります。

今回は汗トラブルについて少しお話したいと思います。

 

汗疹とは

“あせも”は、汗腺から作られた汗が皮膚の中に溜まった状態です。
発汗機能が低い赤ちゃんは、気温・湿度の変化では多量の汗、垢、汚れなどから汗の出口が容易に塞がります。

種類としましては『水晶様汗疹』、『紅色汗疹』などがあります。

炎症のない水晶様汗疹

白色の水晶様の汗疹ですが、時に紅潮をみる紅色の水晶の汗疹もあります 

炎症をきたした発赤のある紅色汗疹

米粒大から小豆大までの大きさですが、湿疹化しやすく(汗疹性湿疹)化膿・赤みが強い多発性汗腺膿瘍や“とびひ”に進展することもあるため注意が必要です。

なお水晶様汗疹と紅色汗疹は混在している場合も少なくありません。

 皮膚のバリア機能が未熟な赤ちゃんの“汗かぶれ”は、長く残った汗や摩擦を起こしやすい部位での刺激・接触等での皮膚の炎症です。汗がたまりやすく皮膚と皮膚のすれやすい場所である首、手首・肘・膝・足首の屈側やオムツのゴム部等が赤くなりやすいのはそのためです。お肌が弱いお子様に関してはあらかじめ、かかりつけ医へ相談していただくことも大切です。

 体温調節機能の他、皮膚の保湿バリア機能亢進や自然免疫機能(dermcidin等の抗菌ペプチドやダニ抗原プロテアーゼ活性抑制)も持ち合わせた汗は、体毛を少なくした人が進化で得たものと考えられ、人にはなくてはならないものです。

 一方発汗が多い場合には、

  • 皮膚がふやけて剥離しやすくなる
  • 汗疹ができやすい
  • 摩擦疹ができる
  • かゆみをます
  • 汗が皮膚に長く停滞すると抗ダニか活性機能が低下する

等のデメリットもありますので赤ちゃんには汗予防対策が重要です。

 なお赤ちゃんは、発汗量が成人の半分程度ですので、高温下の体温調節として発汗だけでなく皮膚の血流を増加させ体温調節をするので容易に赤ら顔になります。そのためヘルメット装着期間中の頭は、発汗だけでなく赤くなった皮膚に遭遇しますで、皮膚トラブルと区別する必要が大切です。

汗の多い部位


 汗の多い部位は、能動汗腺密度と個々の汗腺発汗能に決定されます。

能動汗腺密度が高い部位は、前頭部と手のひら・足のうら、発汗能の高い部位は、頭部と体幹です。
そのため発汗量の多い部位は頭部と体幹になります。

 頭部は人が進化の過程で備わった多くの汗をかきやすいもともとの部位ですので、ヘルメット装着前からスキンケア対策も心がけることが大切です。

 皮膚トラブルの多い部位は、先の発汗量の多い頭部体幹と摩擦がおこりやすい下記の部位です。汗対策の参考にされてください。

 

                 

 

ヘルメット装着の汗トラブル予防

  • 室温調整
  • 湿度調整
  • 保湿等のスキンケア予防
  • 装着時間の調整
  • 早めの相談

室温調整&湿度調整

各ご家庭のお住まいの構造を考慮した体が冷えすぎない範囲、汗をかかない程度に涼しい室温と湿度に調整してみましょう。
特にお昼寝の時など意外と汗をかきやすいものです。

保湿等のスキンケア予防

赤ちゃんの皮膚は薄く皮膚のバリア機能も低いので、朝と入浴後等に頭部へ化粧水タイプの保湿剤をご使用も一案です。クーラー使用時には夏でも乾燥肌のリスクがあります。

 汗をかいたら頭部の汗を拭く、シャワーの使用もご検討ください。汗のケアとしての入浴は逆に汗をかきやすので控えましょう。今の日本ではあまり見かけませんが、昔の知恵として行水がありましたね。また頭部以外には昔ながらのベビーパウダー(cf.粉が飛びにくい保湿効果もある昔から販売されている日本製メーカーもありお勧めです)も悪くありません。なお顔への缶の落下等の事故予防等を注意し正しくご使用されてください。

装着時間の調整

日中はこまめな小休憩(5~10分)を挟んでいただきますと、ヘルメットの連続装着時間を調整することができ汗疹予防につながります。

早めの相談

ヘルメット治療中に汗トラブルになってしまった場合、炎症の範囲や部位によって対応が異なりますのでご利用いただいていますフォローアップ施設と医療機関へお問い合わせください。

 なお上記以外に毛包炎、真菌感染やアトピー性皮膚炎合併等区別すべき疾患がありますので、皮膚疾患も診療されている小児科や皮膚科への早期相談も考慮されてください。

(本文 かただ小児科クリニック院長 堅田泰樹監修)

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