
HOSHINOKO DAYORI
星の子だより
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赤ちゃんの斜頭症の重度レベルについて

「うちの子は斜頭症なのでは?」と気になりはじめると、どんどん不安が大きくなってしまう方も多いのではないでしょうか。周りから「そのうち治るよ」といわれて、「病院に行くほどではないのかな?」と悩んでいる方も少なくないようです。
そもそも、どの程度歪んでいれば、赤ちゃんの頭の歪みは重度だといえるのでしょうか。
今回は斜頭症のレベルについてや重度の場合に起きるリスク、原因などについて解説します。頭の歪みは自己判断が難しいことが多いです。この記事を参考にして、適切に対処しましょう。
斜頭症とは?
斜頭症とは、赤ちゃんの頭を真上から見たときに、頭部の一部が扁平になっていて、斜めに歪んでいる状態のことです。歪みが悪化すると、顔や耳の位置が左右非対称になることがあります。
斜頭症の重度レベルは
斜頭症は、世界的にレベルの基準(5段階)が設けられており、AHS Japanもその基準に沿ってご説明しています。測定コースで使用するSTARScannerは0.1mm単位でスキャンが可能となっており、3Dで立体的に確認できますので赤ちゃんの現在の頭の形状を正確にお話することが可能です。
斜頭症の具体的なレベル分けは表の通りです。

頭の大きさにもよりますがスキャン結果での左右差※¹がおおよそ12mm以上あると、レベル4の重度以上に分類されます※²。
※¹ 頭頂からみて縦の中心線から左右30度対角線の長さの差。
※² 斜頭症はいくつかの項目で複合的に判断されていますのであくまでも一例です。測定コースではより詳細にお伝えします
斜頭症が重度の場合に起きるリスクは?
斜頭症が重度の場合、赤ちゃんの頭を真上から観察すると明らかな左右非対称が見受けられます。
斜頭症のレベルが高くなると、顔の非対称、左右の耳の位置のズレ、歯並びや噛み合わせにも影響が出てしまう可能性があります。
斜頭症の原因は?

斜頭症になってしまう原因はいくつかあります。予防できる原因もあるため、どのような原因があるかを確認し日頃から気をつけておくことが大切です。
胎内での向き癖
産前のエコーで、産婦人科医の先生に「いつも同じ向きを向いているね」と言われた場合、赤ちゃんの向き癖が始まっている可能性があります。かといって手の届かない胎内ですので現時点ではどうしようもありません。産まれてからのケアを考えていきましょう。また、双子や三つ子などの多胎児だった場合、胎内で赤ちゃんが過ごすスペースに限りがあるので、頭の形が歪んでしまうことも多いです。
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生後の向き癖
赤ちゃんが生まれてから向き癖がある場合も、斜頭症になりやすいです。寝ているときに常に同じ方向になってしまうと、床に接している側の面が平らになり変形する可能性が高まります。
出産時に頭に圧がかかった
赤ちゃんの頭はまだ骨が硬化しておらず、形が変わりやすい状態です。生まれてくる際に頭に圧がかかりすぎると、頭が歪む原因になってしまいます。産道が狭いケースや赤ちゃんの頭を引っ張る吸引分娩や鉗子分娩は、頭が歪んでしまう可能性があるでしょう。ただこれは一時的なものが多く、しっかりとタミータイムを続けていくと成長とともに目立たなくなるケースがほとんどです。
頭蓋骨縫合早期癒合症の場合
生まれたばかりの赤ちゃんの頭蓋骨は、いくつかのパーツに分かれています。脳が成長するに従って1歳半頃までに少しずつくっついていきます。しかし、何らかの原因で一部が早くくっついてしまう頭蓋骨縫合早期癒合症の場合、早くくっついた部分の骨の成長が止まってしまうため、頭に歪みが生じたり、特殊な変形を呈しやすくなります。病気に気づかないまま成長すると、脳の発達にも影響が出てしまう可能性があります。
1万人に4〜16人といわれており発症率はかなり低いですが、頭蓋骨縫合早期癒合症だった場合は早めの治療が必要です。
赤ちゃん用の器具で長い時間を過ごしている
日中赤ちゃんのために、バウンサーやスイングなど便利な器具を使用している方も多いのではないでしょうか。こういったポジショニングや移動をアシストする器具は便利な反面、長時間使いすぎると頭が歪んでしまう原因となってしまいます。
斜頭症は自然に治る?
赤ちゃんの頭の歪みが気になっているものの、周りから「そのうち自然に治るよ」といわれて「気にしすぎなのかな」と思っている方もいるはずです。
確かに軽度の歪みの場合は、少しずつ骨が硬化するなかで歪みが緩和したように見えることもありますが、中等度や重度の場合は自然に頭の形が改善する可能性は低く、同じような向き癖の生活を続けると歪みが悪化してしまう可能性があります。まれなケースですが、何らかの病気が原因で頭に歪みが生じていることもあるため、歪みが気になったら早めに専門の医療機関(小児脳神経外科や小児形成外科)に相談するようにしましょう。
ヘルメット治療とは?
赤ちゃんのヘルメット治療は、病気が原因でない赤ちゃんの頭の歪みを標準的な頭の形に導かせる治療法です。スターバンドは本邦において厚生労働省が2019年に管理医療機器として承認しました(米国では2000年にクラスⅡの医療機器としてFDAから510k認可を取得しています)。
治療に使われるヘルメットは、完全オーダーメードで赤ちゃん一人ひとりの頭の形状に合わせて作られます。開始月齢や歪みのレベルにもよりますが平均装着期間は約5カ月です。生後3カ月から18カ月までの赤ちゃんで、中等度以上の頭蓋変形がある場合に適応される治療になっています。
ヘルメットで頭に圧力をかける訳ではなく、頭蓋骨の形状に合わせてヘルメットを作製し扁平になっている部分の成長を促す治療です。
まとめ
AHS Japanの測定コースでは、世界基準の指標(レベル分け)を基に現在の赤ちゃんの頭の形状を正確にご説明します。標準的な頭の形から何mm左右の歪みがあり斜頭症レベルは5段階のどこに当てはまるのか、頭を上から見たときに前後にどれくらい長いのか短いのか。客観的にみないと不安が解消されない方も多いかと思います。少しでも気になる方は赤ちゃんの頭のゆがみ度測定コースへお気軽にお申込みください。
※ヘルメット治療は選択肢のひとつですので、スタッフによる勧誘行為などは一切ございません。あくまでも保護者の方が現状の歪みから起こりえる負の要素・可能性を回避したいと思われるかどうか、その価値観でご判断ください。
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